エピゴノイ

百科事典マイペディア 「エピゴノイ」の意味・わかりやすい解説

エピゴノイ

ギリシア語後継者の意。アレクサンドロス大王の後継者たるディアドコイの後を受けたヘレニズム世界の諸王。プトレマイオス2世,アンティオコス1世らをさす。また,伝説上はテーバイテーベ)に抵抗した7人の英雄の子どもたち(テーベ伝説)。なお芸術などで,亜流模倣者のことをエピゴーネンというのも同一語。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エピゴノイ」の意味・わかりやすい解説

エピゴノイ
Epigonoi

ギリシア神話でテーベを攻めた7将の息子たちをさして用いられる呼び名で,「後裔たち」を意味する。アンフィアラオスの息子アルクマイオンアンフィロコスをはじめアドラストスの息子アイギアレウス,ポリュネイケスの息子テルサンドロス,パルテノパイオスの息子プロマコス,カパネウスの息子ステネロス,テュデウスの息子ディオメデス,メキステウスの息子エウリュアロスで,彼らはアルクマイオンを総大将にしてテーベを攻め,その攻略を果して,最初の遠征に失敗し討死にした父たちの汚名をそそいだ。

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世界大百科事典(旧版)内のエピゴノイの言及

【テーベ伝説】より

…ボイオティア地方の主都テーベ(テーバイ)はミュケナイ時代にさかのぼる古い都市で,豊富な神話伝説の舞台となった。それらはトロイア伝説と同様,かつては《オイディポデイア》《テーバイス》《エピゴノイ》など連鎖する幾つかの叙事詩に語られていた。これら古叙事詩はわずかな断片を除いて散逸したが,前5世紀の悲劇に題材を提供し,これを通して詳細な局面も知られる。…

【ホメロス】より

…なお,ホメロスを盲目の詩人とする巷説は,《ホメロス風賛歌》中の〈アポロン賛歌〉にある〈峨々たるキオスに住む盲(めしい)の人〉という作者自身への言及に由来するもので,ヘレニズム時代以降のホメロスの胸像等はつねに彼を盲目の老人で表現している。 最後に作品については,古くは二大叙事詩のほかにも,〈叙事詩圏〉中の《テーバイス》《エピゴノイ》《キュプリア》や,滑稽詩《マルギテス》(これらはいずれも断片しか伝わらない),約300行の《蛙鼠(あそ)合戦》,長短30数編の《ホメロス風賛歌》などが彼に帰されていたが,今日では,《イーリアス》《オデュッセイア》以外はいずれもホメロスの作にあらずと判断されている。
[ホメロス問題]
 このようにホメロスに関する伝承があいまいであるにもかかわらず,少なくとも《イーリアス》と《オデュッセイア》に関するかぎり,古代人はそれがホメロスの作たることを信じて疑わず,《オデュッセイア》はホメロスとは別人の作と唱えて〈分離派〉と呼ばれたアレクサンドリアの一部の学者の声などは,まったくの例外にすぎなかった。…

※「エピゴノイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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