エントロピー弾性(読み)エントロピーダンセイ

デジタル大辞泉 「エントロピー弾性」の意味・読み・例文・類語

エントロピー‐だんせい【エントロピー弾性】

外力によって体積が減少した気体秩序立った配列をとった高分子からなる物体などが、エントロピー増大の法則熱力学の第二法則)に従って、元の状態に戻ろうとする復元力による弾性。→エネルギー弾性

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関連語 熱力学

化学辞典 第2版 「エントロピー弾性」の解説

エントロピー弾性
エントロピーダンセイ
entropy elasticity

統計力学によれば,平衡状態におけるエントロピーは,その状態でとりうる微視的な形態の数に比例する.したがって,物体に外力を加えて微視的な形態(あるいは準位)の数の少ない状態をもたらすと,もとの状態に戻ろうとする力がはたらく.これをエントロピー弾性という.気体の圧縮ゴム伸長などに際してはたらく力がこれである.ただし,エントロピー弾性のある系でも,エネルギー弾性(格子のひずみ,その他)も同時にはたらいている場合もあるので注意を要する.[別用語参照]ゴム弾性

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエントロピー弾性の言及

【ゴム状弾性】より

…すなわち,ゴムの伸びた状態は元の状態に比べてエントロピーの小さい状態であるため,エントロピーの大きい状態へ移行しようとし,これがゴムの弾性力を与えることになる。このようにエントロピーの減少が弾性力の起源となる弾性はエントロピー弾性と呼ばれる。鎖に外力Kが働いてつり合っているときには,K=-T(∂S/∂R)の関係を満たす(Tは絶対温度)。…

※「エントロピー弾性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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