エーフロス(英語表記)Anatolii Vasilievich Efros

改訂新版 世界大百科事典 「エーフロス」の意味・わかりやすい解説

エーフロス
Anatolii Vasilievich Efros
生没年:1925-87

ソ連邦の代表的演出家。ルナチャルスキー演劇大学卒業後,1954年からモスクワ中央児童劇場でおもにV.ローゾフ作品を上演して名を成し,63-67年レーニン・コムソモール劇場首席演出家。67年から現在までマーラヤ・ブロンナヤ劇場の演出家。心理体験を重視しながらも鋭い象徴的演出手法も併用し,自然主義的な社会主義リアリズムから現代劇を解放した功績は大きい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エーフロス」の意味・わかりやすい解説

エーフロス
えーふろす
Анатолий Васильевич Эфрос/Anatoliy Vasil'evich Efros
(1925―1987)

ロシアの演出家。1950年モスクワの国立演劇大学演出科を卒業。リャザンニ市の劇場、のちモスクワの中央児童劇場で演出を行い、新進劇作家ローゾフの作品を世に送り出した。63年コムソモール劇場の主任演出家に抜擢(ばってき)され、ローゾフの『結婚記念日』、アルブーゾフの『私のかわいそうなマラート』などを演出。古典の現代的演出で論議をよび、67年からマーラヤ・ブロンナヤ劇場に移された。70年代のモリエールの『ドン・ジュアン』、ゴーゴリの『結婚』などは国際的にも評価される名演出である。

[中本信幸]

『エーフロス著、宮沢俊一訳『演劇の日常』(1979・テアトロ)』

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