演劇雑誌。1934年(昭和9)5月,秋田雨雀を責任編集者として創刊。軍国主義の強まる気配の中で,危機にあった演劇芸術の擁護を訴え,暗い谷間の時代に良心的な演劇の灯を掲げたが,40年8月を最後に政府の干渉で休刊した。戦後の46年10月に村山知義,土方(ひじかた)与志の共同編集で復刊,土方,村山の両名のほか,浜村米蔵,木下順二,倉橋健など数多くの人々が寄稿し,堀田清美,大橋喜一など,いわゆる〈職場演劇〉の作家たちもこの誌上で作品を発表した。発行人の死による一時休刊(1956年8月)はあったものの,56年9月には芥川比呂志,宇野重吉,木下順二,千田是也,村山知義による編集委員会で再刊,以降,若干の変遷を経ながらも,広く演劇全般を対象とする総合演劇誌の姿勢をとっている。
執筆者:野村 喬
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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