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カイヨー Joseph‐Marie‐Auguste Caillaux

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世界大百科事典 第2版の解説

カイヨー【Joseph‐Marie‐Auguste Caillaux】

1863‐1944
フランスの急進派政治家。元来財政の専門家で,何回も蔵相を歴任し,税制改革等に献身した。独仏協調を主唱して主戦派と対立,有能な政治家だったが,嫌悪されもした。第1次大戦直前,反カイヨーの論陣をはった《フィガロ》紙編集長カルメットGaston Calmetteを夫人が射殺,事件となる。大戦中はクレマンソーら旧敵から対独通謀の罪で告発され,戦後3年間投獄された。恩赦後,政界に復帰,戦後の財政整理などにあたった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カイヨー
かいよー
Joseph Caillaux
(1863―1944)

フランスの政治家、財政家。エリートコースの財務監察官を経て、1898年代議士に当選し、翌1899年ワルデック・ルソー「共和政防衛」内閣に大蔵大臣の地位を占める。その財政理念は、間接税中心主義を改めて、累進所得税制による財政の近代化、民主化を実現しようとするものであった。そのために左派に接近し、おりからの反教権主義陣営の一端を担うに至る。1906年クレマンソー内閣の蔵相時代、新税制の実現を目ざしたが、法案は上院で阻まれた。
 カイヨーは対外政策においても進歩的であった。1911年6月首相となった直後に際会したアガディール事件では、デルカッセ外交以来の伝統を排してドイツとの交渉の道を選び、フランス領コンゴの一部と引き換えにモロッコでの行動の自由を獲得し、また大戦の勃発(ぼっぱつ)を数年おくらせることに成功した。戦争準備を目ざす3年兵役法に反対、第一次世界大戦開戦後も、非戦・平和主義を貫いたため、ドイツに通じたとの理由で国家主義陣営から告発され、戦後、3年の刑を受けた。
 1925年復権し、蔵相(三度)、上院財政委員長を歴任して第二次世界大戦を迎えた。資料価値の高い大部の回想録がある。[石原 司]

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