カテナリー(その他表記)catenary

翻訳|catenary

デジタル大辞泉 「カテナリー」の意味・読み・例文・類語

カテナリー(catenary)

懸垂線

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改訂新版 世界大百科事典 「カテナリー」の意味・わかりやすい解説

カテナリー
catenary

曲線余弦関数のグラフで表される曲線をカテナリー,または懸垂線という。これは放物線yx2/(4a)がx軸上をすべらずに転がるときにその放物線の焦点の描く図形であり,また,A(0,a)にあるおもりを長さaの糸でx軸上に引いていくときにそのおもりの描く曲線(これをトラクトリックスtractrixという)の曲率中心の描く図形でもある。密度一様な糸の両端を支えて重力の場につり下げるときの糸はこの曲線の形状をとる。鉄塔の間に張られた送電線やつり橋の形状はほぼこの形である。カテナリーをx軸のまわりに回転したときできる曲面をカテノイドcatenoid,または懸垂面という。回転面である極小曲面(平均曲率がすべての点で0である曲面)は懸垂面だけである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カテナリー」の意味・わかりやすい解説

カテナリー
かてなりー
catenary

懸垂線(けんすいせん)ともいう。平面曲線一つxy座標について次の方程式で表される。


ここで、coshは、双曲線余弦関数である。カテナリーは、両端を支えた鎖が重力の作用のみによって自然に垂れ下がっているときなす形である。

[竹之内脩]

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岩石学辞典 「カテナリー」の解説

カテナリー

横列リップル記載に用いる語で,リップルの端から端の間(spen)が弦(chord)よりも長く,峰(crest)が多くの懸垂線状の曲線によって扇状になり,下流に凹型となっている場合をいう[Allen : 1968].数学ではcatenaryは懸垂線といい,両端を固定した太さと密度が均一な綱が作る曲線.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカテナリーの言及

【曲線】より

…これはa=4bの時の内サイクロイドである(図18)。(7)双曲線余弦関数のグラフをカテナリーcatenaryあるいは懸垂線という(図19)。これはx軸を底線,放物線yx2/(4a)を転曲線,この放物線の焦点A(0,a)を極とするルーレットである。…

【曲線】より

…これはa=4bの時の内サイクロイドである(図18)。(7)双曲線余弦関数のグラフをカテナリーcatenaryあるいは懸垂線という(図19)。これはx軸を底線,放物線yx2/(4a)を転曲線,この放物線の焦点A(0,a)を極とするルーレットである。…

※「カテナリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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