カナダヤマアラシ(読み)かなだやまあらし(英語表記)Canadian porcupine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナダヤマアラシ」の意味・わかりやすい解説

カナダヤマアラシ
かなだやまあらし
Canadian porcupine
[学] Erethizon dorsatum

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キノボリヤマアラシ科の動物。北アメリカの北部メキシコからカナダアラスカにかけての森林に生息する。樹上にすみ、夜行性で、樹木の芽、小枝樹皮などを食べる。頭胴長65~100センチメートル、尾長15~30センチメートル、後足長8.6~12センチメートル、体重4~6キログラムぐらいである。体はずんぐりしていて、尾は太くて短く、目や耳が小さい。体色は暗褐色で、体には羊毛状の下毛と、粗大な上毛と、針状で長さ3~6センチメートルの剛毛が生えている。夏は単独で、冬は数頭の群れで生活する。初冬に交尾し、妊娠期間は7か月ほどで、3~6月に1子を産む。生まれた子は体長25センチメートル、体重500グラムほどで、全身黒い毛で覆われ、目が開いている。

[土屋公幸]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナダヤマアラシ」の意味・わかりやすい解説

カナダヤマアラシ
Erethizon dorsatum; North American porcupine

齧歯目キノボリヤマアラシ科。体長 65~86cm。体の上面は鋭い針状の毛や長い剛毛でおおわれるが,体下面には針状毛はなく,柔らかい羊毛状の毛でおおわれる。頭が小さく,前後肢とも短い。夜行性で,日中は樹洞,岩穴などにひそむ。普通単独でいるが,数頭の群れをなすこともある。動作はのろく,人を襲うことはない。木登りが得意で,泳ぐのもうまい。アラスカ,カナダ,アメリカ合衆国から,南はメキシコの北部までの森林地帯にすむ。

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世界大百科事典(旧版)内のカナダヤマアラシの言及

【キノボリヤマアラシ】より

…背中の毛は生まれてまもなく堅くとげ状となる。近縁の種にアラスカからメキシコにかけてすむ同じく樹上生のカナダヤマアラシ(イラスト)がある。【今泉 吉晴】。…

※「カナダヤマアラシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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