カラコルム峠(その他表記)Karakorum Pass

改訂新版 世界大百科事典 「カラコルム峠」の意味・わかりやすい解説

カラコルム[峠] (喀喇昆侖山口
)
Karakorum Pass

カラコルム山脈東部から東へ派生し,北のヤルカンド川と南のシャイヨーク川両流域を分ける山脈にある峠。標高5570m。峠周辺の不毛の荒地をおおう黒い礫(トルコ語,突厥語で〈カラコルム〉)のためこの名をもち,のちにこれが山脈全体の名称となった。古くからタリム盆地とカシミール地方を結ぶ交易路が通っている。北緯35°34′,東経77°45′,中国側の盆地南縁の町皮山の南約240km,ラダックの中心都市レーの北約160kmにある。現在交通上の意義は薄れ,新疆ウイグル自治区の葉城(カルガリク)とチベットの普蘭を結ぶ新蔵公路は,カラコルム峠の東約150kmの奇台峠を通っている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラコルム峠」の意味・わかりやすい解説

カラコルム峠
カラコルムとうげ
Karakorum Pass

中国のシンチヤン (新疆) ウイグル (維吾爾) 自治区インド亜大陸のカシミール地方との境界にある峠。標高 5575m。カラコルム山脈を K2の東方で越えて,タリム (塔里木) 盆地のホータン (和田) ,カルギリク (葉城) と,インダス川上流域のレーとを結ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android