カラマタ(英語表記)Kalamáta

改訂新版 世界大百科事典 「カラマタ」の意味・わかりやすい解説

カラマタ
Kalamáta

ギリシア南端,ペロポネソス半島南部の港町。公式名はカラメKalámai。人口4万3000(1981)。この町から積み出されるオリーブは特に質が良いので有名である。ミュケナイ時代から人の住んでいた形跡があり,古代アクロポリスの上に13世紀初頭になって造営された城砦の跡が今も残っている。19世紀初めの近代ギリシア独立戦争に際しては,ここはギリシア中で最初トルコに対して反旗を掲げた町として知られている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラマタ」の意味・わかりやすい解説

カラマタ
Kalamáta

別称カラメ Kalámai。ギリシア,ペロポニソス半島南部の都市。パトレに次ぐ同半島第2の港湾都市で,メシニアコス湾の湾奥に位置する。 10世紀頃ビザンチンの都市として繁栄していたが,第4回十字軍の占領後 1208年,フランスのビラルドゥアンに封土として与えられた。 15世紀なかば以降ベネチア,オスマン帝国に交互に支配され,ギリシア独立戦争 (1821~29) によりギリシア領。メシニアコス平野に産するオリーブ,干しぶどう,その他の果実の取引が行われるほか,絹織物,製粉,酒類製造,たばこなどの工業が立地。パトレ,アテネと鉄道で連絡。人口4万 5090 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラマタ」の意味・わかりやすい解説

カラマタ
からまた
Kalamáta

ギリシア南部、メッセニア県の県都。古称カラマイKalamai。人口5万7620(2001)。ペロポネソス半島南西部、メッセニア湾の湾奥に位置する港湾都市。県内農産物の集散、加工の中心地で、イチジクオリーブ油絹布を輸出する。ホメロスの詩にある古代のフェライPhēraiとほぼ同位置にある。1208年にフランク人の建てた城郭が残っている。1821年の民族独立革命で最初に解放された市として、例年3月23日に記念行事が行われる。

[真下とも子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android