カルウス(英語表記)Gaius Licinius Calvus

改訂新版 世界大百科事典 「カルウス」の意味・わかりやすい解説

カルウス
Gaius Licinius Calvus
生没年:前82-前47ころ

ローマ共和政末期の弁論家詩人。年代記史家リキニウス・マケルの子。詩人カトゥルスの親友で,その芸術上・政治上の立場を共有し,小叙事詩哀歌,祝婚歌のほか,反民衆派的心情からカエサルポンペイウスへの風刺詩を執筆した。弁論家としては簡潔を旨とするアッティカ風を代表し,カエサルの部下ウァティニウス訴追(前54)で有名。古代にはキケロをしのぐ評価も受けたが,断片を残すのみである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルウス」の意味・わかりやすい解説

カルウス
Calvus, Gaius Licinius Macer

[生]前82
[没]前47頃
ローマの詩人,雄弁家。詩人カツルス友人として並び称され,またその弁論術は極端なアッチカ風と評されたが,雄弁家としてはキケロにまさるとも劣らない名声を博した。わずかな断片が伝わるのみ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android