曰く、子は夫(か)の
學以て
に擬し、於于(をう)(媚佞)して以て衆を蓋(おほ)ひ、獨り弦し哀歌して、以て名聲を天下に賣る
に非ずや。~子
け。吾が事を乏(やぶ)る無(なか)れと。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
『旧約聖書』の一書。ギリシア語に訳されたときから、本書は「エレミヤの哀歌」とよばれ、預言者エレミヤの作とされてきたが、本来は五つの嘆きの歌を集めたもので、彼の作ではない。歌はいずれも、紀元前587年のエルサレム陥落とユダ王国の滅亡を歌ったものである。第2の歌(2章)と第4の歌(4章)は描写も具体的で、王国滅亡直後に書かれたものであろう。第3の歌(3章)だけは一人称単数で、王のような指導者が自ら詠んだ形式をとっている。また第5の歌(5章)以外は、それぞれ「いろは歌」の形式になっている。本書は苦痛に満ちた民族の受難を語り、救いを求める神への祈りを記し、亡国後のユダヤ人の気持ちを示す貴重な文献である。
[木田献一]
…旧約聖書中の一書。ギリシア語訳(《七十人訳聖書》)以来,《エレミヤ哀歌》と呼ばれ,《エレミヤ書》の後に置かれるようになったが,ヘブライ語聖書では,ただ《哀歌》と呼ばれ,旧約聖書の第3部に置かれている。《哀歌》がエレミヤと結びつけられたのは,《歴代志》下35章25節の記事によるものと思われる。…
※「哀歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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