カントン島(読み)カントントウ(英語表記)Kanton Atoll

デジタル大辞泉 「カントン島」の意味・読み・例文・類語

カントン‐とう〔‐タウ〕【カントン島】

Kanton》太平洋中部、キリバス領のフェニックス諸島北端の島。同諸島中で最も大きい唯一有人島。1939年から1989年まで、英国米国による共同管理地だった。かつて、長距離旅客機の給油のための寄港地として利用された。周辺海域手付かず生態系が残っており、2010年に「フェニックス諸島保護地域」の名称世界遺産自然遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「カントン島」の意味・わかりやすい解説

カントン[島]
Canton Island

中部太平洋,キリバス共和国のフェニックス諸島の主島。長径11km,最大幅5kmの礁湖を抱く環礁。陸地面積9km2。島名は1854年にここで難破したアメリカの捕鯨船の名にちなむ。無人島であったが,1881-91年,イギリスのリン鉱石会社の手でグアノが採掘された。1939年以降キリバス独立の79年まで英・米共同統治下にあり,太平洋戦争中はアメリカの空軍基地,戦後1960年代初期にアメリカの宇宙船追跡ステーション,そして70年には対弾道弾ミサイル追跡ステーションが置かれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カントン島」の意味・わかりやすい解説

カントン島
カントンとう
Kanton Atoll

南太平洋,フェニックス諸島の最大,最北端の環礁。キリバスに属する。南緯2°50′,西経 171°41′に位置する。カントン呼称は,1854年にこの島で難破した捕鯨船の名にちなむ。1939年,近くのエンダベリー島とともに,50年間の期限で,イギリス,アメリカ合衆国共同統治領となったが,1979年キリバス領となった。第2次世界大戦中は,アメリカ空軍基地として重要な役割を果たした。1958年まで太平洋横断飛行の中継地であり,1970年代にはアメリカ軍ミサイル追跡施設があった。面積 9km2

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世界大百科事典(旧版)内のカントン島の言及

【キリバス】より

…正式名称=キリバス共和国Republic of Kiribati面積=726km2人口(1996)=8万2000人首都=バイリキBairiki(日本との時差=+3時間)主要言語=キリバス語,英語通貨=オーストラリア・ドルAustralian Dollar中部太平洋にある島国。1979年7月12日にイギリスから独立した。旧ギルバート・エリス諸島のうちのギルバートGilbert諸島で,ポリネシア系のエリスEllice(独立後ツバル)諸島から分かれたミクロネシア系住民の国。…

※「カントン島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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