改訂新版 世界大百科事典 「ガワール油田」の意味・わかりやすい解説
ガワール油田 (ガワールゆでん)
Ghawar
サウジアラビアの首都リヤードの東方約200km,アラビア湾西岸から約80km西方に位置する世界最大の油田。究極可採埋蔵量は約1150億バレルと推定されている。この大集油構造は延長約255km,幅約20kmに及び,集油面積は5400km2である。1948年に本構造の北部地域における試掘井によって発見の端緒をつかんだ。主要油層はジュラ紀後期のアラブD層で,近年,二畳紀後期のクフ層から油・ガスが生産されている。本油田では約1300坑の井戸が掘削されているが,そのうち生産井として稼働しているのは約半数で,その他は水圧入井,観測井等である。本油田の圧力維持のために,比較的早期からガスおよび水の圧入が行われているが,70年代後半からは1000万バレル/日以上の水圧入作業が実施されている。油質は比重35.1°API,硫黄分1.74%である。
執筆者:加藤 正和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報