油層(読み)ゆそう(英語表記)oil reservoir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

油層
ゆそう
oil reservoir

地層中に石油が連続相をなしてたまっている部分。多孔質や割れ目の多い地層で,きめの細かい岩石により封塞されているところにある。一般に油層に接して,比重の軽いガスが上部に,比重の重い水が下部に存在するが,油層中に混在することも多い。油層の性質を示す重要な要素としては,孔隙率 porosity,含水率 water saturation,流体の流れやすさを表わす浸透率 permiabilityなどがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

油層【ゆそう】

油井(ゆせい)を掘削して石油を得ることができる程度に石油を含有している地層。とくに液状の石油が連続相をなす部分をさすことが多い。地層中で形成された石油は岩石中を移動し,比較的孔隙(こうげき)の多い岩石層(油層岩)に集積し油層を形成する。油層岩となり得る岩石は多くは砂岩(孔隙率5〜30%)であるが,そのほか孔隙の多いレキ岩,地下水の作用でできた空隙に富む石灰岩苦灰(くかい)岩,割れ目の多いケツ岩チャート,日本の油田に多い凝灰岩などがある。→キャップロックトラップ油田

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ゆそう【油層 oil reservoir】

原油とガスとが共存するのが常態である地層。これに対し,ガスだけが遊離して存在するのが常態である地層をガス層gas reservoirという。主要油層は地質時代的には第三紀と中生代に属するものが多い。中東の巨大油田の油層の多くは中生代に属するので,中生代の油層に埋蔵されている油が最も多く,とくにジュラ紀および下部白亜紀が重要である。一方,日本を含む東アジア,東南アジアの油層はすべて第三紀層である。この地域では中生代およびそれより古い時代の岩石は中生代末期の造山運動によって基盤岩化してしまって油層にはならない。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

油層
ゆそう

原油を埋蔵している地下の貯留層をいう。油層の多くは図Aに示すような馬の鞍(くら)の形をした背斜構造中にある。油は背斜構造の頂部に存在し、高い圧力の下で天然ガスを溶解している。このガスを溶解ガスという。油層の周囲には油田水がある。これを端水(はすい)という。油田水は油層の油の存在する所にもある。これを間隙(かんげき)水という。油層によっては図Bのように、頂部に遊離した天然ガスが存在することがある。この部分をガスキャップという。地下で生成した油は石油根源岩より移動し、背斜構造の頂部に集積し油層を形成するが、油層の上に堆積(たいせき)しているキャップロックあるいは帽岩とよばれる不浸透性の地層により、地表へ流出することなく数百万年以上の長い間地下に保存されている。油層の岩石は砂岩、石灰岩、凝灰岩などよりなり、岩石粒子の間隙に油が存在している。中東の大油田では石灰岩の油層から産油している例が多い。油層岩石の浸透性は油層の重要な性質である。浸透性とは流体が岩石中を流れるときの流れやすさを示す尺度である。岩石の浸透性は浸透率という係数で表され、単位はダルシーである。一般にはダルシーの1000分の1のミリダルシーを用いている。多くの油層の浸透率は数十から数百ミリダルシーであるが、中東の大油田は数ダルシー以上の油層をもつ。大油田になるには、油層規模が大きいほかに浸透率の高いことも条件の一つである。油層深度は数十メートルから5000メートル以上に及び、深度はしだいに深くなる傾向にある。[田中正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

多文化主義

マルチ・カルチュラリズムともいう。さまざまな人種,民族,階層がそれぞれの独自性を保ちながら,他者のそれも積極的に容認し共存していこうという考え方,立場。「人種のるつぼ」的な同化主義に対抗する考え方で,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android