アカザ科の一年草。食用の目的で,南米アンデスの原産地帯で紀元前から広く栽培されている。草姿は日本の雑草アカザに酷似する。高さ1~1.5m。晩夏に,茎の上部の葉腋(ようえき)にアカザに似た緑白色または紫紅色を帯びた花穂をつける。秋に直径2~3mmの扁円形の果実がみのる。茎葉,実ともやや紫紅色を帯びるもの,茎葉が紫色で果実が白色のもの,果実が黒みを帯びるものなど品種的分化があるらしい。種子にデンプンを含み,粉にしてパン状にして食べ,また粒のまま粥(かゆ)にして食べる。また一種のビールを醸造するという。ブタやニワトリの飼料にも用いる。ボリビアおよびペルーにそれぞれ約2万ha,エクアドルにも1000haほど栽培があり,現地人の主食とされている。栽培の高限は4300mに及ぶという。近縁種がメキシコやアンデスで局地的に栽培されている。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アカザ科(APG分類:ヒユ科)の一年草。キヌアともいう。南アメリカアンデス高原地帯で紀元前から栽培され、ボリビア、ペルー、エクアドルでは主食となっている。栽培の高限は4300メートルに及ぶ。新大陸発見後、インドにも導入され、山間部でわずかに栽培されている。形は日本のアカザに似て、高さ1~1.5メートル、多くの太い枝を出す。晩夏、茎頂にアカザに似た花穂をつけ、秋に径2~3ミリメートルの扁円(へんえん)形の果実ができる。品種的分化がみられ、茎葉も果実も紫紅色を帯びるもの、茎葉が緑色で果実が白色のもの、果実が黄色みを帯びるものなどがある。
種子はデンプン質で、わずかにサポニンを含むので一種の苦味があるが、サポニンを含まない品種もできている。種子を粉にしてパン状にして食べ、また粒のまま粥(かゆ)にして食べる。また、一種のビールを醸造する。茎からつくった灰をコカの葉につけて、チューインガムのように噛(か)んで味わう嗜好(しこう)料にも用いられる。ブタやニワトリの飼料にもされる。
[星川清親 2021年1月21日]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加