クスリ場所
くすりばしよ
北海道東部、太平洋岸に設置された東蝦夷地の場所の一。釧路川流域を中心とする。場所境はたびたび変遷し、一八〇二年(享和二年)以降、西は直別川(音別町・浦幌町境)を挟んでトカチ場所、東は厚岸湾に面するモセウシ(現釧路町別太川河口北側)でアッケシ場所に接する。初め西は大楽毛川を境にシラヌカ場所に接していたが、〇二年シラヌカ場所がクスリ場所に併合されたことにより西へ拡大。東はアチョロベツ川(現釧路町大字昆布森村)でアッケシ場所に接していたが、さらに東のモセウシに変更された。北のシャリ場所との境は「シャリ領ワツカウイより山え上り、ルウチシと申峠を以て境に相定め候」と斜里岳から藻琴山に続く稜線に設定されていたが、その後ヲタウニが境とされた。アバシリ場所との境は「アハシリ湖より川上ヒホロ川筋ヲン子ナイを以て境と定め置候て」とヲンネナイであったが、〇七年(文化四年)のアバシリ越新道開削後ニマンベツ(現女満別町)とされた(場所境調書)。天保郷帳には「クスリ持場之内」として「シヤクベツ、シラヌカ、シヨロヽ川、アシヨロ川、クスリ、トウロ、セフカルコタン、カツラコイ、チヨロベツ、コンブムイ、センホウジ」の地名をあげる。
初めは交易場・商場。一六四三年(寛永二〇年)八月、アッケシ(現厚岸町)に来たオランダ船カストリクム号の記録には、クスリアイヌがオットセイ、ラッコ、鹿・熊の毛皮などの交易のためアッケシに出掛けていることが記される(フリース船隊航海記)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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