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クラテル kratēr[ギリシア]

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世界大百科事典 第2版の解説

クラテル【kratēr[ギリシア]】

ギリシア陶器の一種。ブドウ酒水で割るための器。口縁部が広く,ふくらんだ大きな腹部をもつ。大,小,垂直,水平の把手(とつて)の形により,鐘形,柱形,萼形,渦巻形に分けられる。鐘形クラテルは先史のミュケナイ時代にすでにその作例が数多く見られ,大きな垂直の把手をもつ渦巻形クラテルはヘレニズム期からローマ時代に好まれた。全般に腹部が大きいので陶画家が活躍するかっこうの対象であった。【前田 正明】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クラテル
くらてる
krater

ギリシア陶器の一種。混酒用の器。古代ギリシアではぶどう酒は水で割って飲むのが普通で、それを混ぜるために酒宴の卓上で用いられたもの。器形は一般に、大きな口縁部と膨らんだ胴部、水平もしくは垂直の二つの取っ手からなっているが、取っ手の形状から大別して柱形、渦巻形、萼(がく)形、ベル形に分類される。全体に器形が大きく、卓上に供せられることからいきおい装飾的になり、アンフォーラと並んでギリシアの陶画の生成発展に重要な役割を果たした。その代表的な作例に『フランソアの壺』(前570ころ、フィレンツェ考古美術館)がある。[前田正明]

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世界大百科事典内のクラテルの言及

【ギリシア美術】より


[器形と用途]
 初期の段階では陶器の種類は比較的少なかったが,古典期以後,ギリシア陶器の器形はその用途に応じてほぼ30種を数える。これらのうち,アンフォラ,ペリケー,スタムノスは主としてブドウ酒,油,はちみつ,小麦などの貯蔵用の器,クラテル,プシュクテル,レベス,カンタロス,ディノスは酒宴用,キュリクス,スキュフォスは飲酒用の盃,小さなレキュトス,アリュバロス,アラバストロンは香油入れ,ただし前5世紀以降の白地レキュトスは葬祭用にのみ供せられた。口縁部が三葉形をなすオイノコエは水さし(または酒つぎ),垂直あるいは水平の把手のあるヒュドリアは婦人が泉から水を汲むための水甕,長頸のルトロフォロスとレベス・ガミコスは婚礼の花嫁用,円筒形の蓋付きのピュクシスは婦人用の化粧箱,そのほかに皿,鉢,碗などがあった(図4)。…

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