クリサンセマム・ムルチコーレ(読み)くりさんせまむむるちこーれ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クリサンセマム・ムルチコーレ
くりさんせまむむるちこーれ
[学] Coleostephus multicaulis (Desf.) Durieu
Chrysanthemum multicaule Desf.

キク科(APG分類:キク科)の一年草。アルジェリア原産草丈10~15センチメートル。茎はよく分かれ地をはうように茂り、長いへら状のやや多肉質の葉をつける。4~5月に径約2センチメートルの黄色の頭状花を開く。白色花のノースポール種は近縁のパルドーサムLeucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet et Barratteの園芸種で、南ヨーロッパの原産。分げつ(枝分かれ)した茎は立ち性となって叢生(そうせい)し、草丈は15~20センチメートル。花期は4~6月。9月に種を播(ま)き、ムルチコーレはフレームで越冬させるが、パルドーサムは霜よけ程度でよい。

[柳 宗民 2022年2月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

クリサンセマム・ムルチコーレ
Chrysanthemum multicaule

キク科の一年草で,アルジェリア原産。流通上はムルチコーレと呼ばれることが多い。へら状でやや多肉質の葉は互生し,平滑で鮮緑色。茎はやや匍匐し,葉腋から 10cm前後のしなやかな花茎を伸ばして,直径 2.5~3cmの鮮黄色の頭状花を単生する。草丈は 15cm前後。早春から初夏にかけての重要な花苗として流通する。日当りのよい環境を好み,普通秋まきして育てる。クリサンセマム・パルドーサムに比べると多少寒さに弱いが,関東地方以西では霜よけ程度で越冬する。

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