グライ土壌(読み)ぐらいどじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グライ土壌」の意味・わかりやすい解説

グライ土壌
ぐらいどじょう

湛水(たんすい)または排水不良により酸素が欠乏して土壌が還元される結果、二価鉄やマンガンなどが生成して土層が灰色ないし青色に変化する現象をグライ化作用といい、この作用を受けたグライ層土壌断面の主要部を占める土壌をグライgley土壌とよぶ。地下水位が高く、その変動が少ない排水不良の沖積低地水田に広く分布する。日本のようにグライ土壌が低地に広く分布する例は世界的にも珍しく、強グライ土壌を含めた広義のグライ土壌は全水田面積のおよそ30%を占めている。グライ土壌の特性として、排水不良のため有機物の分解が抑えられ、また強い還元作用による酸素欠乏、水の浸透不良などのため水稲根が障害を受け、養分の吸収が妨げられる。したがって、グライ土壌の水稲生産力は排水良好な水田よりも一般に劣っている。排水改良によって地下水位を下げ、透水性と地耐力をつけることが必要である。

[小山雄生]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グライ土壌」の意味・わかりやすい解説

グライ土壌
グライどじょう
gley soil

グライ性土ともいう。地表からほぼ 1mまでの断面形態のうち,グライ化作用によるグライ層をもつ土壌。沖積平野の氾濫堆積物を母材とする無機質グライ土壌と,泥炭や黒泥を下層にもつ有機質グライ土壌,それらのグライ層の発現位置によって強グライ土壌と弱グライ土壌,水田土壌での表面水型グライ土壌と自然水位による地下水型グライ土壌,ポドゾル化作用を伴ったグライポドゾル土壌などに分類される。

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