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グリプトドン Glyptodon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グリプトドン
Glyptodon

新第三紀鮮新世から第四紀更新世にかけて,南北両アメリカ大陸に生息していた哺乳類貧歯目の一属。現生アルマジロに似た,巨大な絶滅属である。約 1.4mに及ぶ体の全体が,角質鱗甲に覆われた頑な鎧からなる。これはからの攻撃を防ぐ装甲の役をした。四肢はがっしりしていた。敵に襲われたときには首や手足を甲の下に縮めてじっとしていたと考えられる。しかし,敵と戦うときに便利であったのは,大きな骨性の突起であった。頭骨の丈ばかりでなく,顎の両側に生えている歯の丈も高かった。植物,昆虫腐肉などいろいろなものを食べたと思われる。

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デジタル大辞泉の解説

グリプトドン(glyptodont)

グリプトドン科の絶滅した哺乳類。北・南アメリカに更新世に栄えた大形の貧歯類。1枚の巨大な甲をもつ。

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世界大百科事典 第2版の解説

グリプトドン【Glyptodon】

南アメリカの,第四紀更新世の地層から発見された化石哺乳類。カメのように内骨格と外骨格が密接し,頭,胴,尾が堅い骨性の被甲におおわれ,体長2.5mの大型のものもある。アルマジロ,ナマケモノアリクイなどと同じ貧歯目に属する。先祖は,古第三紀に北アメリカに起源し,孤立した南アメリカ大陸で特殊化したのち,南北両アメリカが陸つづきとなった鮮新世には再び北アメリカにも移住した。更新世には,マストドン,オオナマケモノ,ラクダ,ウマ,剣歯虎などとともに北アメリカ南部から中央アメリカにかけて特異な動物相をつくった。

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世界大百科事典内のグリプトドンの言及

【アルマジロ】より

… アルマジロ科は南アメリカの特徴的な動物で,かつては現代よりも栄えていた。化石アルマジロ類に巨大なグリプトドンGlyptodon asper(全長約3m)があり,この甲の化石はテントの代用になるくらい大きかった。貧歯類【今泉 吉晴】。…

【甲】より

…アルマジロの装甲は鱗状の角質の外被の下に皮骨の芯を備えたもので,ワニのうろこと構造が似ている。アルマジロの祖先にあたる第三紀のグリプトドン類は,カメの背甲と酷似した一体化した骨性の背甲のほか,頭頂部と尾の周囲にも堅固な骨性の甲を備えていた。センザンコウの体表のほとんどを覆う松笠状のうろこは毛の変形したもので融通性が高い。…

【貧歯類】より

…北アメリカの南部から,中央・南アメリカに分布し,現生のものには,骨質の甲をもち雑食性のアルマジロ類,木の枝から長大なつめでぶら下がり,葉を食べるナマケモノ類,歯がなくもっぱらアリとシロアリを食べ,尾に甲の痕跡をもつアリクイ類の4科がある。 きわめて原始的な真獣類で,暁新世から漸新世まで北アメリカにいたパレアノドン亜目(最古の貧歯類で甲がなく脊椎の関節が正常)から分かれて,暁新世末に南アメリカに入った異節亜目のグリプトドン科から,残りの貧歯類が生じた。それらは南アメリカで栄え,北アメリカへ進出したのは,鮮新世または更新世である。…

※「グリプトドン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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