鮮新世(読み)センシンセイ(その他表記)Pliocene

翻訳|Pliocene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鮮新世」の意味・わかりやすい解説

鮮新世
せんしんせい
Pliocene

地質時代の時代区分の一つで、新生代の新第三紀を二分したときの後半の時期にあたり、新第三紀中新世と第四紀との間のおよそ533万3000年前から258万年前までの時代をいう。鮮新世に形成された地層を鮮新統という。堆積物はサンゴなど生物起源のものは少なく、多くは砕屑(さいせつ)物からなる。ヒマラヤアルプス山脈は激しい隆起によってほぼ現在と同じ地形が形成された。気候は寒冷で、中新世中期以降に始まるその傾向は最終的に第四紀の氷河時代に至る。現在と共通する生物の種はさらに増加し、化石軟体動物はそのおよそ過半数が現生種を占める。中新世から鮮新世にかけては草原が広がり、鮮新世の陸上哺乳(ほにゅう)類は以前よりも大形化した。中新世に現われた馬メリキップスMerychippusは現在のポニーほどの大きさになり、鮮新世にはヒッパリオンHipparionへと進化した。ヒッパリオンは、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ大陸の広い地域で生息するようになったが、続く更新世末に絶滅した。現在の馬エクウスはその後300万年前に出現したプレシップスPlesippusから進化したと考えられ、北アメリカから世界中に生息地が広がった。また、およそ440万年前には、アフリカで、初期の人類である猿人アルディピテクスArdipithecus(ラミドゥス猿人)に続いてアウストラロピテクスが現れ、彼らは二本の足で立ち上がって歩き始め、森から草原へと生活範囲を広げた。続く第四紀更新世には、人類=原人・旧人・新人への進化の礎(いしずえ)が築かれた。

[山口寿之 2015年8月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鮮新世」の意味・わかりやすい解説

鮮新世
せんしんせい
Pliocene Epoch

地質時代年代区分の一つで,新生代に属する新第三紀の後半の。チャールズ・ライエルの百分率法区分の古鮮新世 Older Plioceneにあたる。約 533万3000年前から約 258万年前の期間をさす。中新世に引き続き,アルプスからヒマラヤにいたる山系,ロッキー山系,アンデス山系などの隆起が著しく,今日の褶曲山脈の形がほぼ明らかになった。これに対して,西および北太平洋の弧状列島地域では,沈降運動が続き海成層が形成された。高緯度地方に寒帯系の植物群が出現し,気候の寒冷化が目立つ。動物界は現代的な要素が強くなり,また地方的分化が著しく,今日みられるような生物地理区ができ始めた。海生動物では有孔虫類ウニ類軟体動物が特徴的である。哺乳類の分化,特殊化が進み,特に有蹄類食肉類の発展が著しい。

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百科事典マイペディア 「鮮新世」の意味・わかりやすい解説

鮮新世【せんしんせい】

第三紀を5分した場合の最後の地質時代名。ほぼ520万年前から164万年前まで。気候は比較的温暖だが,末期から寒冷となり第四紀の氷河時代を迎える。第四紀更新世への移行の時期についてはさまざまな意見があり確定していない。原始人類とされるアウストラロピテクスはこの時代に生存。
→関連項目新第三紀ステゴドンプリオヒップスメリキップスラマピテクス

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改訂新版 世界大百科事典 「鮮新世」の意味・わかりやすい解説

鮮新世 (せんしんせい)
Pliocene

地質時代の区分の一つ。新生代第三紀の最後の部分で,約500万年前から200万年前までの時代。鮮新世の生物には現在生息している種類が多いが,哺乳類では三趾馬のヒッパリオンや長鼻類のステゴドンなど絶滅したものも少なくない。原始人類とされるラマピテクスはこの時代に生存した。鮮新世の気候は現在とほぼ同様で,第四紀の氷河時代に至る前の温暖な時代であった。
地質時代
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最新 地学事典 「鮮新世」の解説

せんしんせい
鮮新世

Pliocene(Epoch)

新生代新第三紀を構成する2つの世のうち,後半の時代。5.33〜2.58Ma。Plio=more, cene=recentの意で,C.Lyell(1833)が命名。その前の中新世よりもいっそう寒冷化が進んだ時代で,北半球氷床の発達や海退で特徴づけられる。哺乳類の多様化が著しく,現生属の多くが出現した。

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