グルノーブル・オリンピック冬季競技大会(読み)グルノーブル・オリンピックとうききょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

グルノーブル・オリンピック冬季競技大会
グルノーブル・オリンピックとうききょうぎたいかい

フランスのグルノーブルで開催された,第10回オリンピック冬季競技大会。1968年2月6日から 18日まで行なわれ,37ヵ国から 1100人以上の選手が集まった。ドイツは初めてドイツ連邦共和国西ドイツ)とドイツ民主共和国(東ドイツ)が別々のチームとして参加した。シャルル・ドゴール大統領が国家の威信をかけて大金を注ぎ込み施設の整備を行なったが,結果としてオリンピック村が 7ヵ所に分かれ,いくつかの競技はグルノーブルの中心から離れた会場で行なわれたため,観客は長距離を移動しなければならなかった。アマチュア問題が再燃し,国際オリンピック委員会 IOCがスキー用具などから広告や商標を除去するよう要求したのに対し,選手側は大会からの引き揚げを示唆。最終的には写真撮影やインタビューの際に,選手は広告や商標の入った用具を身に着けないことで合意した。大会の花形は地元フランスのジャン=クロード・キリーで,アルペンスキー 3種目に優勝し,史上 2人目のアルペン三冠王となった。イタリアのボブスレー選手エウジェニオ・モンティは 40歳を迎え,2人乗りと 4人乗りの 2種目で金メダルに輝いた。女子フィギュアスケートではペギーフレミングが優勝し,アメリカ合衆国に大会唯一の金メダルをもたらした。日本からは男子 53人,女子 9人の選手団が 4競技に参加した。

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