日本大百科全書(ニッポニカ) 「グルノーブル」の意味・わかりやすい解説
グルノーブル
ぐるのーぶる
Grenoble
フランス南東部、イゼール県の県都。かつては旧ドフィーネ州の州都であった。人口15万3317(1999)、16万0649(2015センサス)。リヨンの南東109キロメートル、ドフィーネ・プレ・アルプスの大シャルトルーズ山脈麓(ふもと)を流れるイゼール川の両岸に位置し、風光明媚(めいび)な保養地、観光地。フランスの水力発電地帯の中心にあり、手袋、セメント、機械、電気製品、紙類、金属製品などの製造業はその電力によるところが大きい。核物理研究の中心にもなっている。また、山岳地域と、イゼール川の谷を通じてローヌ川の谷へと結ぶ交通の要衝である。平均気温は1月1.5℃、7月20℃。年降水量985ミリメートル。霜の降りる日数77日。4世紀後半、ローマ皇帝グラティアヌスGratianus(在位375~383)の統治下に入り、グラティアノポリスGratianopolisと命名され、地名はこれに由来する。1339年創立の大学があるほか、歴史的建築物には、12~13世紀のノートルダム聖堂、中世フランス騎士バヤールPierre Terrail Bayard(1473?-1524)の墓のあるサン・アンドレ教会、現在は裁判所になっているルネサンス期の宮殿などがある。1968年冬季オリンピック大会の開催地。作家スタンダール、哲学者コンディヤックの生地。
[大嶽幸彦]