コッククロフト=ウォルトンの装置(読み)コッククロフト=ウォルトンのそうち(英語表記)Cockcroft-Walton's apparatus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

コッククロフト=ウォルトンの装置
コッククロフト=ウォルトンのそうち
Cockcroft-Walton's apparatus

1個の変圧器と2n個の整流器コンデンサを用いて,変圧器の二次側での交流最大電圧の2n倍の直流高電圧をつくる装置。 1932年 J.コッククロフトと E.ウォルトンはこの装置で約 600kVを得て陽子を加速し,初めて人工的に得た入射粒子原子核反応実験を行なった。電圧は 500kV前後のものが多く,原子核研究の範囲は制限されるが,高速中性子発生装置や高電圧試験器など,核物理および工業用として現在でも広く利用されている。

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世界大百科事典(旧版)内のコッククロフト=ウォルトンの装置の言及

【加速器】より

…これに対し,まずJ.コッククロフトとE.ウォルトンが考案した静電加速器(コッククロフト型加速器。コッククロフト=ウォルトンの装置ともいう)が実用化され,1932年にはこの装置で加速した陽子を用い,初めての人工的に加速した粒子による原子核破壊の実験に成功した(コッククロフト=ウォルトンの実験と呼ばれる)。45年ごろまでにはこのほか,バン・デ・グラーフ型加速器(1931),サイクロトロン(1930),線形加速器(1931ころ),ベータトロン(1940),シンクロトロン(1945)などの各種の加速器が考案され,これらが今日の加速器の基礎となったが,著しい進歩をもたらしたのは第2次世界大戦後急速に発達した電波工学,エレクトロニクス,真空技術,材料工学などである。…

※「コッククロフト=ウォルトンの装置」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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