日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロービン」の意味・わかりやすい解説
コロービン
ころーびん
Константин Алексеевич Коровин/Konstantin Alekseevich Korovin
(1861―1939)
ロシアの画家。モスクワの絵画・彫刻・建築学校でサブラーソフAleksey Kondratyevich Savrasov(1830―1897)とポレノフVasily Polenov(1844―1927)に学び、のちサンクト・ペテルブルグの美術アカデミーにも学んだ。また、マーモントフSavva Mamontov(1841―1918)の私立ロシア歌劇場やボリショイ劇場の舞台装置も担当した。母校でも教え、弟子たちのなかにはA・ゲラシモフ、クズネツォフNikolai Kuznetsov(1876―1970)、マシコフ、ユオンKonstantin Yuon(1875―1958)らがいる。ロシア革命後の1923年に亡命、パリで没した。おもな作品に『パリの朝』『パリのカフェ』『カフェ』『パリの並木道』『パリの夕暮れ』『イタリア通り』などがある。いかにもパリを愛した画家にふさわしい画題である。ロシアでは主としてクリミアを描き、『クリミアの海岸』『セバストポリ湾』『花市場、グルズーフ』など。ロシアの印象派を代表する画家であった。
[木村 浩]