サケスズキ

改訂新版 世界大百科事典 「サケスズキ」の意味・わかりやすい解説

サケスズキ

北アメリカの淡水にすむサケスズキ目Salmopercaeに属する魚類の総称。2科3種からなる。ラテン語でsalmoはサケ,percaはスズキを意味する。分類上この群は原始的なサケ型と進化したスズキ型との中間に位置するが,櫛鱗(しつりん)をもち,上あごが前上顎骨のみで縁取られ,主上顎骨には歯がなく,ひれ棘条(きよくじよう)が発達し,眼窩蝶形骨(がんかちようけいこつ)を欠き,腰帯の前端が擬鎖骨に付着するなどの諸点でスズキ型により近いとされる。サケスズキ科Percopsidaeではサケ型に似て腹びれが腹位にあり,あぶらびれを備え,痕跡的ながらうきぶくろ食道をつなぐ気道も残っている。ただし,背びれとしりびれには弱い棘条がある。この科に属するPercopsis omiscomayeus(英名troutperch)は南はアメリカ合衆国カンザス州,ミズーリ州,ケンタッキー州,バージニア州から北はカナダのほぼ全域にわたって分布し,大きな河川や浅い湖沼に生息する。水生昆虫,甲殻類や貝などを食べ,全長20cmほどに達する。漁獲の対象にはされないが,大型魚種の天然餌料として重要である。カイゾクスズキ科Aphredoderidaeは1種Aphredoderus sayanus(英名pirate perch)のみを含む。本種は全長13cm,腹びれが胸位に近づき,あぶらびれと気道が失われ,とくに肛門が喉位に開くのが特徴である。仔魚(しぎよ)の肛門はしりびれの直前に開くが,成長とともに前方に移る。本種はミシシッピ川流域,ミシガン州南部から大西洋岸にかけて分布し,底に有機物の堆積した湖沼に生息する。水生の節足動物や小魚を食べる。
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