サンチェスコタン(その他表記)Juan Sánchez Cotán

改訂新版 世界大百科事典 「サンチェスコタン」の意味・わかりやすい解説

サンチェス・コタン
Juan Sánchez Cotán
生没年:1560-1627

スペイン修道士画家トレド県のオルガスに生まれる。トレドで絵画修業を行ったのち,1603年カルトゥジア会に入会,12年からグラナダ修道院で数多くの宗教画や修道士の奇跡を描いた。同時に,台所の野菜などを主題とした〈ボデゴンbodegon(静物画)〉によって,スペイン独特の,宗教画的とさえいえる厳しさをもった静物画の始祖となり,スルバランをはじめとする17世紀バロックの画家たちに多大な影響を与えた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンチェスコタン」の意味・わかりやすい解説

サンチェス・コタン
Sánchez Cotán, Juan

[生]1561. オルガス
[没]1627.9.8. グラナダ
スペインの修道士,画家。スペイン初期バロック・リアリズム(→バロック美術)の代表的画家の一人。特に「ボデゴン」(台所などの日常の器物や野菜,果物などを描いた静物画)の画家としても知られ,明確な形態把握と数学的構成が特徴。その代表作として『マルメロ,キャベツ,メロン,きゅうり』(1602頃,サンディエゴ美術館)が有名。1603年エルパウラルのカルトゥジオ修道会の在俗修士となり,1612年グラナダの同会修道院に移り,そこで宗教的主題による作品を制作した。

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