サン-ジョルジオ山(読み)サンジョルジオさん

世界遺産詳解 「サン-ジョルジオ山」の解説

サンジョルジオさん【サン-ジョルジオ山】

2003年に登録、2010年に登録内容が変更されたスイスとイタリアの世界遺産(自然遺産)。両国国境にまたがる、ピラミッド形をした標高1096mの木々の生い茂る緑豊かな山で、山麓にはルガーノ湖が水を湛えている。この山が注目されているのは、中生代三畳紀中期(2億4000万~2億3000万年前)の地層から、恐竜魚類などの大量の化石が出土したことによる。三畳紀には、この地域は亜熱帯性の気候の海にほど近い地域で、水深数メートルのラグーン潟湖(せきこ))や暗礁があり、外洋と隔てられていた。ここに豊かな生物相があったことは、出土した30種の爬虫類大半は大型の海生の恐竜)、80種の魚類、約100種の昆虫などの無脊椎動物の化石が物語っている。当初はスイス側だけの登録であったが、2010年にイタリア側も登録され、範囲が広がった。◇英名はMonte San Giorgio

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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