シュワルナゼ

百科事典マイペディア 「シュワルナゼ」の意味・わかりやすい解説

シュワルナゼ

旧ソ連及びジョージアグルジア)の政治家。旧ソ連ジョージア共和国ランチフティ地区に生まれる。1948年に共産党入党。1951年ジョージア共産党中央委員会付属学校を卒業。1985年ゴルバチョフがソ連共産党書記長に就任,ゴルバチョフによってソ連共産党中央委員会政治局員に抜擢され,さらにソ連外相に就任した。アレクサンドルヤコブレフとともに,ゴルバチョフのペレストロイカ,新思考外交を強力に推進した。しかし,ゴルバチョフが保守派・改革派の権力闘争の過程で,大統領制を導入し権力基盤強化を進めると,シュワルナゼは1990年電撃的に外相を辞任した。1991年のソ連8月クーデターでは,いち早くエリツィン支持と独裁反対を表明。エリツィン政権で再び外相に復帰したが,ソ連崩壊とともに外相を辞任した。1992年ジョージア国家評議会議長に就任し,ジョージアの最高指導者となる。1995年8月ジョージアで新憲法が採択され,11月大統領に選出される。2000年大統領再選。シェワルナゼ政権で,ジョージアの経済及び社会情勢は安定を見せ,市場経済への転換軌道に乗ったが,アブハジア紛争に伴う難民問題やロシアとの関係など難問も抱えていた。2003年議会選挙の不正を野党側が糾弾し混乱に至ったため,2003年11月23日に大統領辞任を余儀なくされた。シェワルナゼは漸進改革主義的な政治手法を取ったため,民意乖離(かいり)していったことが権力を失う原因だったとされる。冷戦を終結させた立役者の1人として,西欧諸国ではいまなお高く評価される政治家である。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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