ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジグムント1世」の意味・わかりやすい解説
ジグムント1世(老王)
ジグムントいっせい[ろうおう]
Zygmunt I Stary; Sigismund I
[没]1548.4.1. クラクフ
ポーランド王 (在位 1506~48) 。ジギスムント1世とも呼ばれる。父王カジミエシ4世ヤギェロンチクの善政を継承し,老王の尊称にふさわしく,長期の治世を通じてマグナート (大領主) の支持のもとに王権を強化。財政改革を主とする国政改革を実施してシュラフタ勢力をよく押さえ,農業や商工業の発展に献身して国力の充実をはかった。対外的にも善隣関係の維持に努め,1514年スモレンスクをロシアに譲り,神聖ローマ帝国とは同盟を締結。 1525年クラクフ条約に基づきドイツ騎士団領を世俗化してプロシア公国を創建,これを保護領とし,マゾフシェ地方を併合。また,芸術の保護に尽力し,イタリア・ルネサンスの彫刻,建築,絵画を収集,紹介し,ポーランド・ルネサンスの全盛期を築いた。ポーランド文学の父といわれる M.レイ,地動説を主張したコペルニクスらが,ジグムントの治世中に活躍した。
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