ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジグムント3世ワーザ」の意味・わかりやすい解説
ジグムント3世ワーザ
ジグムントさんせいワーザ
Zygmunt III Waza; Sigismund III
[没]1632.4.30. ワルシャワ
ポーランド王 (在位 1587~1632) ,スウェーデン王 (在位 1592~99) 。ジギスムント3世とも呼ばれる。スウェーデン王ヨハン3世の子。宰相 J.ザモイスキの支持を受けて即位したスウェーデンのバーサ (ワーザ) 家出身の選挙王。熱烈なカトリック信奉者として宗教上の寛容を欠いたが,マグナート (大領主) とイエズス会を背景に王権を強化し,スウェーデン王をも兼ねた。 1596年にワルシャワに遷都し,ポーランド文化の発展に寄与したが,ブジェシチ同盟によりギリシア正教徒の合同を画策して,シュラフタの反乱にも直面。カルル9世の即位でスウェーデン王位を失脚したのち,1600年以後余生を通じてポーランド=スウェーデン戦争を遂行し,リボニアとプロシアの大部分を失った。また,コサックの反乱の鎮圧や対トルコ戦に加えて,ツァーリ継承問題にも干渉し,ロシアの帝位を要求して対ロシア戦 (1609~12) を敢行,国力を消耗させた。
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