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明版 みんばん

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百科事典マイペディアの解説

明版【みんばん】

中国の明時代(14―17世紀)に印刷刊行された図書。量的には宋版元版にまさるが,質的には粗悪なものが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

明版
みんぱん

中国の明代に出版された図書。明刊本(みんかんぽん)ともいう。明代の出版は、宋(そう)・元(げん)代に引き続いて盛んに行われ、とくに嘉靖(かせい)(1522~66)、万暦(ばんれき)(1573~1619)年間に多数出版された。その結果、中国や日本に現存する明版はかなり多い。中央・地方の諸官庁や個人の出版物には印刷・製本の優れたものが多く、商業出版は宋代以来の伝統のある福建地方がもっとも盛んであった。明版のうち、古典の翻刻は一般に校訂が不十分なので尊重されないが、明代の詩文集や地方志などは資料価値が高い。明代中期には初めて銅活字印刷が行われ、明末には美しい多色刷りの本もつくられて珍重された。万暦年間の出版物の字体には、横線が細く縦線が太いものが流行し、のちにこれを明朝体とよんで、現代の活字体にも受け継がれている。一般に、明代の官庁や個人の出版物には良質の白綿紙(はくめんし)が、また大量生産の商業出版物には粗悪な竹紙(ちくし)が多く用いられた。
 明版はただちにわが国に輸入されて翻刻され、江戸時代の学問に大きな影響を与えた。江戸幕府や好学の諸大名によって収集された明版は、現在、国立公文書館、蓬左(ほうさ)文庫、尊経閣(そんけいかく)文庫などに多数保存されている。[福井 保]
『『和漢書の印刷とその歴史』(『長澤規矩也著作集 巻二』1982・汲古書院)』

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図書館情報学用語辞典の解説

明版

中国明代(1368-1644)の刊本.明代の印刷事業も宋・元の伝統を受け継いだが,明代独自の特色も示している.その一つが明朝体といわれる印刷字体の成立である.これは,縦線が太く,横線が細く,起筆部と終筆部に三角形うろこが付いているのが特徴である.このような字体は刻字の速度を速める必要から生まれたといわれる.明朝体の成立は明の嘉靖年間(1522-1566)とされるが,その頃以降多くの漢籍が日本に将来された.明版は,整版印刷(木版印刷)のほか,活字印刷も盛んに行われた.弘治から嘉靖年間(1488-1566)のものには銅活字が多く使われ,それ以後は木活字を使用したものが多い.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
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