南アフリカ人類化石遺跡群(読み)みなみアフリカじんるいかせきいせいぐん

世界遺産詳解 の解説

みなみアフリカじんるいかせきいせいぐん【南アフリカ人類化石遺跡群】

1999年に登録、2005年に登録内容が変更された世界遺産(文化遺産)。2013年に「スタークフォンテン、スワートクランズ、クロムドライの人類化石遺跡群及び周辺地域」から名称変更になった。南アフリカ共和国の北東部、ヨハネスブルクの北に、「人類のゆりかご」あるいは「人類発祥の地」と呼ばれる、人類の進化史において最も著名な初期人類の遺跡群がある。ガウテン州のスタークフォンテン渓谷の中にある多数の洞窟の中から、アウストラロピテクス・アフリカヌスアフリカヌス猿人)や、パラントロプス・ロブストゥス(ロブストゥス猿人)など多数の人類化石が発見された。スタークフォンテン洞窟で、1936年に260万~320万年前のアウストラロピテクスの化石が発見され、その後も続々と発見が続き、1948年には人類が火を使った約100万~180万年前の痕跡が見つかった。1976年には、人類の祖先ともいわれるホモ・ハビリスの化石が発見されている。このように、この一帯は330万年前から現在までの人類の進化や旧石器時代の人類の生活を知るための貴重な手がかりとなり、人類学や考古学にたいへん大きな貢献を果たしてきた。2005年には、リンポポ州のマカパン渓谷とノースウエスト州のタング・スカル化石遺跡が追加登録されて、世界遺産の範囲が拡大した。◇英名はFossil Hominid Sites of South Africa

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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