オランダのスネルWillebrord Snell van Roijen(1591-1629)によって確立された光の屈折についての法則。二つの等方性媒質の境界面で,面の大きさが光の波長より十分に広い場合に適用される。
光の屈折においては,(1)光はよじれない,すなわち屈折光は入射光と境界面の法線とがつくる面である入射面内にある,(2)屈折光は境界面とその法線に関し,入射光と反対の側にある,(3)境界面の法線と入射光,屈折光とのなす角をそれぞれ入射角θi,屈折角θdとし,入射側,屈折側の媒質の屈折率をそれぞれni,ndとするとき,
nisinθi=ndsinθd
が成り立つの三つの性質をもつ。このうち,(3)をスネルの法則という。入射角と屈折角の正弦の比は入射角によらず一定であって,二つの媒質内の光の位相速度の比となる。この法則は入射光と屈折光との位相差が,境界面上の位置によらずに一定であることを表したもので,光以外の波動の屈折にも適用することができる。
→屈折
執筆者:三須 明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…入射光線,反射光線,屈折光線が入射点において境界面の法線となす角θI,θR,θDをそれぞれ入射角,反射角,屈折角と呼ぶが,θR=θIであり,またsinθI/sinθD=n21は入射角によらず一定となる。後者の関係はスネルの法則と呼ばれ,n21を第2媒質の第1媒質に対する相対屈折率と呼ぶ。第1媒質が真空である場合,第2媒質の真空に対する屈折率を絶対屈折率,または単に屈折率という。…
※「スネルの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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