セイコー

改訂新版 世界大百科事典 「セイコー」の意味・わかりやすい解説

セイコー[株]

時計をはじめ情報機器,宝飾品などの製造・販売で知られるセイコー・グループの中核会社で,世界最大の時計販売会社。1881年服部金太郎(1860-1934)により時計販売の服部時計店として東京京橋区(現,中央区)に創業された。92年には時計製造工場精工舎をつくり,掛時計の製造を始めた。95年には懐中時計,1902年には置時計の製造を開始,13年には腕時計の国産化に成功した。その間1895年には本店を現在の銀座4丁目に移転した。1917年には会社組織をそれまでの個人経営から(株)服部時計店に改組した。関東大震災により大きな被害を受けたが,翌24年には掛時計の生産を再開した。時計の種類と生産の増加にともない,37年腕時計と懐中時計の製造部門分離・独立し,(株)第二精工舎を設立した。第2次大戦後は賠償工場,特別経理会社,過度集中力排除の指定を受けたが,それぞれ48年11月までに解除され,1945年10月より接収されていた本店建物(1932建設)も52年末には返還された。この間,45年に服部精工(株)と改称されていた社名も46年には元の(株)服部時計店に戻った。その後,販売体制を強化し売上げを伸ばし,生産面では(株)第二精工舎の諏訪工場を分離,ウォッチその他を製造する(株)諏訪精工舎を設立した。64年の東京オリンピックで〈セイコー〉の時計は,それまでヨーロッパのメーカーに独占されていた公式時計に採用され,その技術とブランドが世界に知られるようになった。その後69年にはクォーツ式腕時計を世界で最初に発売,その後の時計のクォーツ化の先駆けとなった。70年には製造工場精工舎を(株)精工舎として分離・独立させた。また80年代後半からはセイコーエプソンなどの関連会社を中心に,コンピューター関連商品や液晶テレビなど非時計部門の比重を増やしつつある。83年(株)服部セイコーと社名を改称,さらに97年7月セイコーと改称した。2001年持株会社のセイコーウオッチを設立する。資本金100億円(2005年9月),売上高2069億円(2005年3月期)。07年社名をセイコーホールディングス(株)と変更。
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百科事典マイペディア 「セイコー」の意味・わかりやすい解説

セイコー[株]【セイコー】

1881年服部金太郎により時計販売の服部時計店として創業,1892年工場精工舎を設け販売から製造に進出以後,各種時計,写真機シャッターなどを生産。セイコーの商標は知名度高く時計工業で全国首位。1969年,世界最初のクォーツ式腕時計を発売。1970年代後半から時計の伸びは低迷しコンピューター関連商品など時計以外の比重も増えている。1983年服部セイコー,1997年セイコーに改称。2001年7月から持株会社化。2007年7月セイコーホールディングスに改称。時計の国内需要不振に影響を受ける。本社東京。2011年資本金100億円,2011年3月期売上高3138億円。売上構成(%)は,ウォッチ34,電子部品等52,眼鏡7,クロック3,その他5。海外売上高比率は52%。グループにはセイコーインスツルセイコーエプソンがある。
→関連項目ジウジアーロ

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デジタル大辞泉プラス 「セイコー」の解説

セイコー

NHKの子供向けテレビ番組『ビットワールド』(2010年放映開始)に登場するキャラクター演者はいとうせいこう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セイコー」の意味・わかりやすい解説

セイコー
せいこー

セイコーホールディングス(株)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

とっさの日本語便利帳 「セイコー」の解説

セイコー

製造工場「精工舎」より(「精巧な時計で成功するように」)

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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