ゼオライト触媒(読み)ゼオライトショクバイ

化学辞典 第2版 「ゼオライト触媒」の解説

ゼオライト触媒
ゼオライトショクバイ
zeolite catalyst

天然あるいは合成のゼオライト(沸石)を基本にした触媒.結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライトに含まれるカチオンを,プロトンあるいは多価カチオンで交換すると,強い固体酸触媒となる.軽油接触分解には,通常のシリカ-アルミナ触媒の100倍以上の活性があり,石油の接触分解用触媒として用いられている.白金,パラジウムなどの遷移金属をイオン交換法で担持させると,金属が均一に,しかも分散性よく担持されるので,高い水素化活性が得られる.このため,固体酸と金属とを組み合わせた二元機能触媒として広く利用されている.さらに結晶構造中のアルミニウムをほかの金属原子と置換したメタロシリケート,アルミニウムとリンで結晶が形成されるALPO(アルポ),その一部がケイ素に置き換えられたSAPO(サポ)など多くの物質が合成されており,特徴のある触媒作用を示す.また,分子の大きさに匹敵する均一細孔径を有するため,反応原料,中間体あるいは生成物に対して分子ふるい効果を示す.このため,ゼオライト触媒では分子の形状にもとづく選択性を与えることができる.このようにゼオライトは触媒として種々の反応に幅広く利用されている.[別用語参照]ホージャサイトZSM-5型ゼオライトチタノシリケート

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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