改訂新版 世界大百科事典 「ソーダ」の意味・わかりやすい解説
ソーダ
soda
炭酸ナトリウムNa2CO3の俗称。曹達と書くこともある。頭痛(の薬)を意味するアラビア語ṣudāに由来。広義には炭酸ナトリウムNa2CO3またはその水和物(俗称,炭酸ソーダ),水酸化ナトリウムNaOH(苛性ソーダ),炭酸水素ナトリウムNaHCO3(重炭酸ソーダ,略称重曹)の総称。狭義には結晶ソーダ(Na2CO3・10H2O,洗濯ソーダとも呼ぶ)をさす。また,11番元素ナトリウムNaを含むことを示す意味で,硫化ソーダ,酢酸ソーダ,ソーダ鉄ミョウバンのように,化合物名としてのナトリウムをソーダでおきかえて使うこともある。
窯業,岩石学・鉱物学,化学工業では酸化ナトリウムNa2O成分のことをソーダと呼び,それぞれソーダ石灰ガラス・ソーダ灰,ソーダ雲母・ソーダ長石(ソウ長石),ソーダ石灰・ソーダセッケン・ソーダ電池のように用いる。二酸化炭素を圧入した清涼炭酸飲料水のことを俗にソーダ水ないしソーダなどと呼んでいるのは,Na2CO3+酸─→CO2↑からの連想にもとづく完全な誤用である。
→カリ
執筆者:藤本 昌利
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報