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結晶水 けっしょうすいwater of crystallization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

結晶水
けっしょうすい
water of crystallization

物質の結晶中に化合状態で含まれている水。結合の仕方により,(1) 100~150℃程度で失われ,同時に結晶の分解を伴うもの (構造水) ,(2) 錯イオンの中で中心金属イオンに配位するもの (配位水) ,(3) 結晶中で陰イオン水素結合で結合しているもの,(4) 結晶中で一定の位置を占めるだけで,陰陽両イオンに直接結合していないもの (格子水) ,に分類される。

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デジタル大辞泉の解説

けっしょう‐すい〔ケツシヤウ‐〕【結晶水】

結晶の中に一定の割合で結合している水。結晶内の一定の位置に固定されていて、結晶格子を安定化させる。

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百科事典マイペディアの解説

結晶水【けっしょうすい】

結晶中に一定の化合比で含まれている水。結晶内の結合の状態や構造によって次のように分けられる。(1)格子水。結晶格子空所をみたしているもの。例,K2HgCl4・H2O。

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世界大百科事典 第2版の解説

けっしょうすい【結晶水 water of crystallization】

結晶中に一定の割合(モル比)で含まれている水をいう。結晶水は結晶内で一定の位置を占め,結晶格子の安定化に寄与している。また,一定の温度範囲で一定の水蒸気圧を示す。したがって,結晶水を含む結晶を徐々に加熱していくと,ある一定の温度で,段階的に脱水が起こる。そのとき結晶構造は変化する。結晶中の存在状態により結晶水はつぎのように分類される。(1)配位水 イオンからなる結晶中でイオンに直接配位して錯イオンをつくる水分子(たとえば[Cu(OH2)4]2+)をいう。

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大辞林 第三版の解説

けっしょうすい【結晶水】

結晶中に一定の割合で含まれている水。化学結合により結晶中で特定の位置を占め、結晶構造を安定に保つ。結合の仕方によって、構造水・配位水・陰イオン水・格子水に分類される。加熱により段階的にその一部が失われ、結晶構造が変化することが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

結晶水
けっしょうすい
water of crystallization

結晶中に構造要素となって含まれる水。化学式中に一定の組成を示し、結晶構造中でも一定の位置を占め、結晶格子の安定化に寄与するが、一定温度範囲で一定の水蒸気圧(解離圧)を示し、熱すると段階的に放出され、それに伴い結晶構造が変化する例が多い。この種の水は結合水ともよばれる。結晶水をもつ塩を含水塩hydrated saltということもある。結合水は結合や存在の状態により、次のように分類される。
(1)配位水 配位子となって錯イオンをつくっている水。硫酸銅()五水和物CuSO45H2Oの中の4分子の水は[Cu(H2O)4]2+の錯イオンをつくり、その青色の原因となっている。
(2)陰イオン水 前例の残りの1分子の水は硫酸イオンに水素結合しており、陰イオン水とよばれる。この場合、配位水よりも加熱によって脱水されにくい。
(3)格子水 後述の沸石水に似ているが、結晶構造中に生じた空間を満たして一定の組成で存在する水。K3[Fe(CN)6]3H2O, K2[HgCl4]H2Oなどにみられる。
(4)構造水 水酸化物イオンとして存在するが、加熱するとH2Oとなって脱出するもの。Mg(OH)2, Na2[Sn(OH)6]などにみられる。
(5)オキソニウムイオン 水素イオンと結合してH3O+となっているもの。(H3O)ClO4などの酸の結晶にみられる。
 沸石水zeolitic waterは広義の結晶水であり、剛直性のある籠(かご)状の結晶構造中に含まれ、加熱あるいは減圧によって連続的に脱出し、組成も定比にはならない。脱水による結晶構造の変化もほとんどない。沸石類(ゼオライト)に含まれる水が典型例のため、この名がある。別に、水(氷)が籠状構造をつくって他の分子を閉じ込める包接化合物(包接水和物)もあるが、その水は結晶水とはいわれていない。
 水以外でも、ある溶媒の溶液から晶出する結晶が溶媒分子を構造要素として取り込むことがあり、それを結晶溶媒という。[岩本振武]

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