タノム

百科事典マイペディアの解説

タノム

タイの軍人政治家。下級軍人の家に生まれる。1929年陸軍士官学校卒業。1957年サリットの後ろ盾で首相に就任するが,1958年サリットに譲り,1963年サリットの死後,再び首相となる。アメリカの援助を背景に工業化と開発を進め,10年の長期政権を保持した。国民に〈善行のすすめ〉を呼びかけたが,民主主義的な志向は乏しく,長期政権のなかで,親族の登用など門閥政治の弊害を生み,1973年10月には,民主化要求を中心とする国民的規模の反政府デモにあい,亡命を余儀なくされた。
→関連項目サリット

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世界大百科事典 第2版の解説

タノム【Than(■1)m Kittikachon】

1911‐2004
タイの軍人政治家。貧困な下級軍人の家に生まれる。1929年陸軍士官学校卒業。57年友人サリットのひきで首相になるが,翌年サリットに譲る。63年のサリットの死後,再度首相に就任,約10年間の長期政権を保った。サリット路線以上の積極策は見いだせないが,アメリカの援助を背景にテクノクラートを活用し,工業化と社会開発を促進した。ただ政治的民主化への関心は低く,長期政権は息子ナロンの異例の登用などの閨閥政治を生んだ。

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世界大百科事典内のタノムの言及

【タイ】より

…また地方における高等教育機関,テレビ局などの建設は,地方都市の前例をみない発展を促した。63年,サリットが死ぬと,政権はタノム,プラパートPraphat Charusathien(1912‐97)という軍の2巨頭によって継承された。タノム=プラパート内閣は,世論の圧力に抗しきれず68年にいたってようやく憲法を施行し,翌年選挙を実施したが,内外の政治・経済情勢の変化に伴い緊張が高まると,71年再びクーデタに訴えて全権を掌握し,事態の収拾を図った。…

※「タノム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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