ダイズ油(読み)だいずゆ(その他表記)soybean oil

改訂新版 世界大百科事典 「ダイズ油」の意味・わかりやすい解説

ダイズ(大豆)油 (だいずゆ)
soybean oil

ダイズ種子からおもに溶媒抽出法によって採取する油脂。主産地はアメリカで,アメリカでも日本でも多く消費される油脂である。豆の含油率は15~23%。融点-7~-8℃,比重d415=0.922~0.934,屈折率nD20=1.472~1.478,ケン化価193~195,ヨウ素価114~138,酸価0.3~3.0。脂肪酸組成はリノール酸51~55%,オレイン酸22~25%,パルミチン酸10~12%,リノレン酸8~9%,ステアリン酸3~4%など。抽出油をさらに脱色脱臭など精製を行って,ダイズ白絞油,ダイズサラダ油などの食用油とする。用途はほかに,マーガリンショートニング,クッキングオイル,製菓用油脂,マヨネーズ,硬化油,脂肪酸その他。乾性油に属するが,ヨウ素価が低く,半乾性油に近くて乾燥性が亜麻仁油などに劣るため,工業用の用途はそれほど多くない。アルキド樹脂リノリウム油性ワニス印刷インキ,エポキシ化油,油性塗料などに用いられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

栄養・生化学辞典 「ダイズ油」の解説

ダイズ油

 ダイズから採取する油.広く食用に使われる.主たる脂肪酸はリノール酸.四訂日本食品標準成分表のフォローアップの日本食品脂溶性成分表ではパルミチン酸10.3%,ステアリン酸3.8%,オレイン酸24.3%,リノール酸52.7%,リノレン酸7.9%,とされている.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のダイズ油の言及

【食用油】より

…食用に適する油脂の総称。常温で液状のものは油(脂肪油),固体のものを脂(脂肪)というが,通常用いているダイズ油,ナタネ油,ゴマ油などは植物性食用油である。動物性食用油の部類に入る魚油鯨油は酸化変敗を受けやすく,不快臭をもちやすいため,そのままではほとんど用いられない。これらは水素添加を行って,マーガリンショートニングとして用いられる。植物脂にはヤシ油パーム油,カカオ脂などがあり,マーガリン,チョコレートの原料とされる。…

※「ダイズ油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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