ショートニング(読み)しょーとにんぐ(英語表記)shortening

翻訳|shortening

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショートニング」の意味・わかりやすい解説

ショートニング
しょーとにんぐ
shortening

植物油、動物脂などを原料にしてラード状または流動状にし、食品に可塑性や乳化性をもたらす加工油脂油脂が100%で、主として食品工業用原料に使われる。ショートニングの名はショートネスshortness(もろさ、砕けやすさ)に由来し、クッキーやパイに加えてサクサクしたテクスチャー(食感)をつくるものを示している。アメリカでラードの代用品として1919年ごろつくられた。多量に生産される綿実油(めんじつゆ)の利用と、ラード不足に対処する目的でつくりだされたもので、最初は綿実油に牛脂を混ぜてつくられた。その後、水素添加による硬化油発明により、原料として綿実油や大豆油の硬化したものが主として使われるようになり、現在のショートニングの基礎となった。通常の植物油よりも、酸化に対して安定性がよいため、広範囲に使用することができる。用途としては、製菓、製パン用のほか、揚げ油などの調理用、アイスクリームなどにも使われる。

河野友美・山口米子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ショートニング」の意味・わかりやすい解説

ショートニング
shortening oil

精製した動植物の油脂,硬化油 (大豆油,綿実油,牛脂,鯨硬化油,豚脂など) に 10~20%のガス (窒素ガス炭酸ガス,空気) や乳化剤を含ませた可塑性の油脂食品で,マーガリンと異なり水を含まない。軽い感じとさっくりした歯ざわりに仕上がるので,おもに製菓,製パンに用いられる。

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