アマの種子から得られる乾燥性の脂肪油。通常,圧搾法で採油する。アマの種子の含油量は産地などにより異なり28~44%である。生亜麻仁油は黄色の液体で,水に溶けず,有機溶媒には可溶。比重0.932~0.936(15℃),屈折率1.480~1.483,凝固点-18~-27℃。組成,物性の一例を表に示す。不飽和酸を多量に含むため乾燥性に富んでいて,空気中に放置するか,空気を吹き込みながら加熱すると,容易に酸素を吸収して酸化反応を起こしながら縮重合し,弾力性のある耐水性半透明の高分子物質リノキシンlynoxynを生ずる。亜麻仁油は,その高度の乾燥性を利用して,ペイント,ワニス,リノリウム,油布,印刷インキ用に,またゴム代用品,硝化油,薬用,軟セッケン原料などに用いられる。東ヨーロッパとくにロシアでは,冷圧搾油は食用にも供される。
執筆者:内田 安三
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(2015-5-20)
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…古代エジプトでも栽培,利用された。日本には17世紀に中国から渡来したが,当時は薬用とする亜麻仁油を採るのが目的であった。繊維を採る目的で北海道に導入されたのは明治初期のことである。…
…オリーブ油はスペイン,イタリア,ギリシアの南欧各国が生産の大部分を占め,乾燥油として用いられる。亜麻仁油はアルゼンチン,カナダ,インド,ヒマワリ油は旧ソ連,アメリカ,アルゼンチン,パーム油はマレーシア,ナイジェリア,インドネシアが主要生産国である。【岡部 守】。…
※「亜麻仁油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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