ダボス会議(読み)ダボスカイギ(英語表記)Davos Forum

デジタル大辞泉 「ダボス会議」の意味・読み・例文・類語

ダボス‐かいぎ〔‐クワイギ〕【ダボス会議】

Davos Convention》毎年1回、スイスダボスに各国の政治行政経済トップが集まり開催されるセミナー。→ダブリュー‐イー‐エフ(WEF)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダボス会議」の意味・わかりやすい解説

ダボス会議
だぼすかいぎ
Davos Forum
Annual meeting in Davos

スイスの非営利財団、世界経済フォーラムWEF)が毎年1月、スイスの保養地ダボスで開く年次総会の通称。正式名称は「世界経済フォーラム年次総会World Economic Forum Annual Meeting」。1971年に「ヨーロッパ経営者フォーラム」として始まり、1987年より現名称に変更した。世界の100以上の国・地域から招待された経営者、国家元首、政治家、学者ジャーナリスト、労働組合幹部、宗教指導者、非政府組織(NGO)代表ら2000~3000人が参加。市場原理、自由競争、自由貿易、技術革新の必要性を基調とし、地球環境、国際平和、貧困、金融危機などグローバル経済の諸問題について討議する。会議の模様はユーチューブやツイッターを通じて世界に発信される。世界のさまざまな分野や立場のリーダーが食事や休憩時間を含めて意見交換し、世界経済にとってもっともアクチュアルなテーマを世界へ向けて発信する場となっている。運営費は1000を超える企業の年会費や参加費のほか、スポンサー企業の協賛金でまかなわれる。一方、ダボス会議には「貧困や格差の拡大、環境破壊の先兵となっている」との批判もあり、ダボス周辺で会議に反対する大規模デモが起きた年もある。

 アメリカ同時多発テロ後の2002年には、テロ後の世界経済をテーマにニューヨークで開催するなど、その時々の懸案事項について討議。1994年にはパレスチナ解放機構PLO議長アラファトとイスラエル外相のペレスがイスラエル軍のガザ・エリコ地区からの撤兵で合意するなど、国際和平の成果もあげている。日本の政治家では、2001年(平成13)に当時の首相であった森喜朗(もりよしろう)が参加して以来、歴代内閣総理大臣の多くが参加している。なお2007年から毎年夏に中国で開催されるニュー・チャンピオン年次総会(Annual Meeting of the New Champions)が「夏のダボス会議」とよばれるなど、類似する会議が多く開かれるようになった。

[編集部 2016年2月17日]

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知恵蔵 「ダボス会議」の解説

ダボス会議

世界経済フォーラムが毎年1月にスイス東部の保養地ダボスで開催する年次総会。同フォーラムはスイスの実業家で大学教授でもあったクラウス・シュワブの提唱で1971年に発足した。各国の競争力を指数化して公表し、グローバル化に対応した経営環境を推奨している。ダボス会議は世界を代表する政治家や実業家が一堂に会して討議するため、注目を集めてきた。2002年の第31回会議は、米国の同時多発テロ後の世界経済をテーマに、ニューヨークでの異例の開催となった。04年の会議では、米国に主導された世界経済の回復に楽観論が強くなったが、05年の会議では、貧困対策が議論の焦点となり従来とは様変わりした。06年には中国が高成長を維持できるかどうかに関心が集中した。同年6月に東京で「アジア版」が開催されたのも、この関心が影響している。ダボス会議に対抗して、06年1月にベネズエラで「世界社会フォーラム」も開催され、グローバル化や戦争に反対する団体が集まった。

(石見徹 東京大学教授 / 2007年)

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百科事典マイペディア 「ダボス会議」の意味・わかりやすい解説

ダボス会議【ダボスかいぎ】

スイスのリゾート地ダボスで毎年1〜2月に開かれる国際シンポジウムで,1987年以後は正称〈世界経済フォーラム〉。民間研究機関〈世界経済フォーラム〉(本部ジュネーブ)が主催。1971年スイスの公益財団が主催する〈ヨーロッパ経営フォーラム〉として始まったが,市場競争による新自由主義を唱導し,世界の政財界人が加わる場に発展,1990年代後半にはグローバリゼーションを積極的に推進する役割を担う。これに対して2001年には〈世界社会フォーラム〉が,反グローバル化を訴える各国のNGOなどが結集する場として,ブラジルで始まった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダボス会議」の意味・わかりやすい解説

ダボス会議
ダボスかいぎ

世界経済フォーラム」のページをご覧ください。

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