ダボス(読み)だぼす(英語表記)Davos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダボス」の意味・わかりやすい解説

ダボス
だぼす
Davos

スイスのグラウビュンデン州にある観光保養地で、ウィンタースポーツの一中心。標高1560メートル。人口1万0995(2001)。ダボスプラッツとダボス・ドルフの2か村からなる。19世紀なかばには人口1700の小村であったが、1890年の鉄道開通を契機に国際的保養地に発展した。ホテル、ペンションサナトリウム、商店が古い木造農家を圧するように建ち並ぶ。多くのロープウェー、リフトが高所へ通ずる。ワイスフルー山(2831メートル)へ登るケーブルカーの途中駅ワイスフルーヨッホはスキーツアー、滑降の出発点として有名で、パルセンはスキー場として名高い。国立雪氷・雪崩(なだれ)研究所がある。また、世界各国の政財界のリーダーが参加し経済から科学、文化など幅広くグローバルな問題を論じ合う世界経済フォーラム(ダボス会議)の開催地でもある。トーマス・マンの『魔の山』の舞台としても有名。

[前島郁雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダボス」の意味・わかりやすい解説

ダボス
Davos

スイス東部,グラウビュンデン州の都市。アルブラ川の東の支流ラントワッサー川流域の深いU字谷の底にある。初めロマンシュ語を話す少数の住民がいたが,12~13世紀にバレー (ワリス) 地方からドイツ系の集団が移り住むようになった。 1436年にはツェーンゲリヒテンブント (十裁判官区連盟) の首都。 77~1649年にはオーストリア領であった。標高約 1600mにあり,1860年頃から保養・観光地として発展。 90年頃からは特に肺結核の療養地として広く知られ,大きなサナトリウム,公営保養所が数多く建設された。 T.マンの長編小説『魔の山』はここの療養所を舞台としている。 1950年頃に療養地からスポーツの中心地に転換。パルゼンのスキー場は世界有数で,付近にはスキー学校や宿泊施設も多い。避暑地としても有名。毎年世界経済フォーラムが開催される。 15~16世紀の教会がある。人口1万 1610 (1990) 。

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