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チシマゼキショウ Tofieldia coccinea Richards.

世界大百科事典 第2版の解説

チシマゼキショウ【Tofieldia coccinea Richards.】

高山の岩場に生えるユリ科多年草(イラスト)。北半球の寒帯・亜寒帯域に広く分布する。植物地理学上,周北極要素と呼ばれるものの一例である。茎は高さ5~15cmで,セキショウに似た線形の葉を2列互生し,上部に密な総状花序を出す。花は通常斜め下を向いて咲く。花被片は小型で,白色または淡紫色めしべは3枚の心皮から成り,心皮の上部は離れている。これは多くの被子植物にみられる,子房が進化する途中の原始的な段階を示すものである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チシマゼキショウ
ちしまぜきしょう / 千島石菖
[学]Tofiedia coccinea Richards.

ユリ科の多年草。短い地下茎からじょうぶな根を多数出す。根出葉は2列に並び固まって生え、線形で長さ4~8センチメートル、3~5本の平行脈があり、縁(へり)に細かい突起がある。葉は鎌(かま)形に曲がり、縦に折れて葉の下面が上面になる。基部は鞘(さや)状となり、茎は高さ5~15センチメートル、茎下部と中部に1枚ずつ葉をつけ、下部の葉は枯れたのちも葉柄が残る。花は7月、短い総状花序に多数密につき、白色花と紫色を帯びた花を斜め下向きに開く。北半球の高山、極地に広く分布するが、生育地の生態条件によって変異が多く、多数の地方変種がある。[河野昭一]

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