チラナ(読み)ちらな(英語表記)Tiranë

精選版 日本国語大辞典 「チラナ」の意味・読み・例文・類語

チラナ

(Tirana)⸨ティラナアルバニア首都。アドリア海沿岸の平野部に位置する。小村であったが、一六一四年トルコの封建領主がイスラム教寺院を建設して以来都市化し、一九二〇年に首都となった。一九三九年イタリアに占領され、四四年に解放された。アルバニア語名チラネ(Tiranë)。

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デジタル大辞泉 「チラナ」の意味・読み・例文・類語

チラナ(Tirana)

アルバニア共和国の首都。同国中部の工業都市。17世紀にトルコにより建設された。1920年から首都。人口、行政区39万(2003)。ティラナ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チラナ」の意味・わかりやすい解説

チラナ
ちらな
Tiranë

南東ヨーロッパ、バルカン半島南西部に位置するアルバニア共和国の首都。ティラナともいう。人口27万9000(1999)、41万8495(2011センサス)。17世紀に発祥したトルコ起源の町で、ペルシア(現イラン)におけるトルコの勝利を記念して、当初テヘランTeheranと名づけられた。アルバニア中部にあり、海岸沿いの肥沃(ひよく)な平野と内陸山岳地帯の接点に位置する。比較的新しい町であるが、気候温暖、交通の便よく(海岸から30キロメートル)、1920年首都に選ばれてから急速に発展し、政治、経済、文化の中心地となった。1990年の市場経済導入以降、おもにアルバニア北部からの住民の流入によって人口が急増している。工業は、重工業部門の不振が続く一方で、織物皮革、木材加工、食品、ガラスなどの軽工業部門の生産が活性化しており、国内全工業生産の4分の1を占めている。中心部スカンデルベグ広場から放射状に延びる6本の道路を骨格に、街並みは整然としている。市内の交通機関はバスかタクシー。郊外に、軍用を除いてはアルバニア唯一の空港がある。

[大羽奎介・齋藤 厚]

歴史

17世紀にトルコの将軍バルキンザデフ・スレイマン・パシャにより建設されたが、20世紀初頭でも人口は約1万5000人にすぎなかった。1920年にルシニャで開かれた国民議会は独立アルバニアの首都をチラナとすることを決定した。その後スカンデルベグ広場の周辺にイタリア人建築家の手で政府建物が建てられた。1939年にイタリア軍に占領されたが、第二次世界大戦後、アルバニア人民共和国の首都になり、1991年の社会主義体制崩壊後に成立したアルバニア共和国においても引き続き首都の地位にある。

木戸 蓊]

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