ツゲ科(読み)つげか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツゲ科」の意味・わかりやすい解説

ツゲ科
つげか
[学] Buxaceae

双子葉植物、離弁花類常緑低木または草本。葉は厚く、単葉で、対生または互生する。花は短い穂状花序をつくるか葉のわきに群生し、花被片(かひへん)は4または6枚で2輪に並び、同形で萼(がく)と花弁の区別はない。雄しべは4または6本で花弁と対(つい)の位置につく。子房は2~3室、各室に1~2個の胚珠(はいしゅ)が下垂する。花柱は短くて太く、2~3裂する。果実蒴果(さくか)または液果、2~3個の大きな堅い種子がある。世界の熱帯から温帯に分布し、5属120種ほど知られる。日本にはツゲ属とフッキソウ属とが野生する。

[山崎 敬 2020年5月19日]

 APG分類でもツゲ科とされる。かつてホホバも含まれていたが、現在はシモンジア科として分離した。

[編集部 2020年5月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツゲ科」の意味・わかりやすい解説

ツゲ科
ツゲか
Buxaceae

双子葉植物ニシキギ目の1科。世界のおもに熱帯と亜熱帯に4属約 100種がある。多くは常緑の低木であるが,フッキソウ (富貴草)のような多年草もある。葉は対生,ときに互生するものもあり,全縁の単純形で質はやや硬い。花は細かく,単性花が普通で,雌雄花は同株または異株につく。果実は乾果で通常は蒴果となる。ツゲ (黄楊)は材が有用なほか庭樹などに,また,フッキソウも観賞用に栽培される。

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