乾果(読み)カンカ

デジタル大辞泉 「乾果」の意味・読み・例文・類語

かん‐か〔‐クワ〕【乾果】

成熟すると果皮木質革質になって硬くなる果実。のちに果皮が裂開する裂開果と、裂開しない閉果とに分けられる。乾燥果。→液果

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精選版 日本国語大辞典 「乾果」の意味・読み・例文・類語

かん‐か‥クヮ【乾果】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 成熟するに従って果皮が乾燥する果実の総称。木質または革質になる果実。果皮が自然に割れるか否かで、裂果と閉果に分けられる。前者には、莢果(きょうか)(=ダイズ)、蒴果(さっか)(=アサガオ)など、後者には穎果(えいか)(=イネ)、翅果(しか)(=カエデ)、堅果(けんか)(=ドングリ)、胞果(ほうか)(=ケイトウ)、痩果(そうか)(=タンポポ)などがある。乾燥果。⇔液果
    1. [初出の実例]「乾菓の柯を辞するが如し」(出典:匏菴遺稿(1900)〈栗本鋤雲〉暁窓追録補)
  3. 果実を、日に干したり火力で乾燥させたりしたもの。ほしがき、ほしぶどうなど。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乾果」の意味・わかりやすい解説

乾果
かんか
dry fruit

果実の一種で,果皮の乾燥したもの。果実は,果皮が乾燥したとき開裂するかどうかによって裂開果と閉果に分類できるが,裂開果はいずれも乾果である。一方,閉果で乾果であるもののうちにも,果皮が堅くて種子から離れやすい堅果 (カシなど) ,子房の数だけに分裂する分離果 (アオイなど) ,果皮が翼状に伸び出る翼果 (カエデなど) ,穎 (えい) が果実を包む穀果または穎果 (イネなど) のように,諸種の型がある。

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世界大百科事典(旧版)内の乾果の言及

【実】より

…果皮の形態に基づいて実を分類すると次のようになる。まず果皮が乾いている乾果dry fruitと多汁質の液果fleshy fruitに二大別され,乾果はさらに果皮が裂開して種子が外へ出る裂果dehiscent fruitと裂開しない閉果indehiscent fruitに分けられる。裂果はふつう多数の種子をもつ実にみられ,裂開は離生めしべでは,心皮の辺縁の合着部(シャクヤク),心皮の背側(モクレン),合着部と背側の両方(マメ類)にそって起こる(図4)。…

※「乾果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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