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ツチアケビ Galeola septentrionalis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ツチアケビ
Galeola septentrionalis

ラン科の多年草。北海道から九州まで各地のおもに落葉樹林中の腐植質の豊富なところに生える。菌根をもつ腐生植物で,葉緑素をもたない。太い根茎は長く横にはい,鱗片葉がある。茎は直立し,高さ 40~90cm,褐色で硬く,まばらに鱗片葉がつく。6~7月頃,枝先に総状花序をつくって多数の花をつける。花は黄褐色で半開し, 2cmぐらい,下部は細長い下位子房となる。花後,鮮かな赤色肉質のバナナのような形の果実を結び,長さ 10cm内外,径 15~25mmで,短い柄で垂れ下がる。干して生薬にする。ツチアケビの名は地面に生え,アケビのような実を結ぶことによる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ツチアケビ【Galeola septentrionalis Reichb.f.】

ナラタケと共生する大型の腐生ラン(イラスト)。秋に低山を彩る赤い果実を,アケビにみたてて和名がついた。太くて長い根茎がある。茎は太く直立し,葉緑体を欠き褐色,高さ50~100cm,ところどころに退化した鱗片葉がある。6~8月,分枝した花序に多数の花をつける。花は黄褐色で,径1.5~2cm程度。花被はあまり開かない。唇弁はやや多肉質で,黄色味が強い。果実は肉質で赤くなり,垂れさがる。熟しても裂開しない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ツチアケビ
つちあけび / 土通草
[学]Galeola septentrionalis Reichb. f.

ラン科の多年草。腐生ランの一種で、全体が褐色である。太くて長い根茎がある。茎は太く直立し、高さ0.5~1メートル、ところどころに鱗片葉(りんぺんよう)がある。6~8月、分枝した花序に黄褐色で径2センチメートルほどの花を多数開く。子房はねじれず唇弁が上にくる。距(きょ)はない。果実は肉質で赤くなり、目だつ。おもに落葉樹林下にナラタケと共生し、北海道から九州に分布する。名は、果実の形がアケビに似ており、地上に生えるアケビの意味。漢方では果実を土通草(どつうそう)と称し、強壮・強精剤として用いる。
 ツチアケビ属は花粉塊が粉質で二分裂し、果実は肉質の不裂開果、まれに翼のある(さくか)であるなどの点で特徴づけられ、アジア、アフリカ、ヨーロッパの熱帯を中心に約20種ある。日本には本種のほかに、つる性のツルツチアケビG. altissima (Bl.) Reichb. f.が九州南部、沖縄に分布する。[井上 健]

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