翻訳|Deaflympics
聴覚障害者の国際総合スポーツ大会。話し声と同程度の55デシベルが聞こえない選手が出場し、補聴器の使用は禁止される。陸上、競泳はスタートをランプで知らせる。1924年に開かれた大会が第1回とされ、身体、視覚、知的障害の選手が参加するパラリンピックより歴史は古い。今回は東京を中心に11月15~26日の日程で19競技を実施し、70~80の国・地域から約3千人の選手が参加予定。サッカーは福島、自転車は静岡で実施する。観戦無料。2022年の前回大会で日本は12個の金メダルを獲得した。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
国際ろう者スポーツ委員会(ICSD:International Committee of Sports for the Deaf)が開催する聾(ろう)者のための国際的な総合スポーツ大会。大会の運営も聾者が行い、役員や参加者は国際手話によってコミュニケーションをとる。夏季大会と冬季大会があり、2年ごとに交互に開催される。第1回夏季大会は1924年にパリで開催され、ベルギー、フランス、イギリス、オランダ、ポーランド、ハンガリー、イタリア、ラトビア、ルーマニアの9か国から145人の選手が参加した。この大会は世界初の国際的な障害者スポーツ大会である。第1回冬季大会は1949年オーストリアのゼーフェルトで行われた。日本は1965年の夏季大会(ワシントン)に初めて参加した。冬季大会には1967年のベルヒテスガーデン(西ドイツ)から参加している。
2017年時点で夏季大会で実施されている競技は陸上競技、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車、ゴルフ、サッカー、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマンスタイル)、マウンテンバイク。冬季大会で実施されている競技はアルペンスキー、クロスカントリースキー、スノーボード、カーリング、アイスホッケーである。
裸耳状態の聴力検査で、聴力の損失が55デシベル以上であり、各国の聾スポーツ協会に登録されていることが参加の条件となる。大会では、練習時も、試合時も補聴器の使用は認められていない。
デフリンピックを主催するICSDは、1924年8月にパリで開催された聾者のスポーツリーダー会議において創立された。初代会長は自身聴覚障害者で自転車の選手でもあったフランスのE・ルーベンス・アルケEugène Rubens-Alcais(1884―1963)である。ICSDは聾者のスポーツを代表する国際組織で「Per Ludos Aequalitas(スポーツを通じての平等)」をモットーとし、夏季および冬季デフリンピックの開催等を通じて聾者のスポーツ参加機会の拡充と促進、より高いレベルの優れた競技者の育成を目的としている。2021年時点の加盟国は116。デフリンピックという名称は2001年から国際オリンピック委員会(IOC)の認可を得て使用するようになった。それまではInternational Silent Games やInternational Games for the Deafなどとよばれていた。なお、日本での2025年デフリンピック開催を目ざして招致活動が行われている。
[藤田紀昭 2021年10月20日]
『中村敏雄他編『21世紀スポーツ大事典』(2015・大修館書店)』
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